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ハートの国のアリス 雑感:完全ネタバレ(過去より移行)
一応色々クリアしたゲームが最近あるのですが、どれから感想書くべきか・・・。
『ダンガンロンパ』か『トトリのアトリエ』か、『ノーモアヒーローズ』かはたまた『魔法使いとご主人様』か・・・。
・・・統一性がなくてすみません。


とか考えたので、元のブログからちょっと移行させようと思っとります。
ひとずこれ!PC女性向けゲーム『ハートの国のアリス』。

感想っていうか、考察っていうかなものなので、ご注意を!
***

アリスシリーズの最初の作品ですね。

内容としては、公式サイトで見るのが一番ですが、
「現実的な女の子アリスが、白ウサギに誘拐される形でハートの国に迷い込む」
というのが大筋の流れ。

で、ここからネタバレこみのお話(もう昔の作品なんで今更なんですがねー

私の評価としては実によく話を構成してきたな、という印象です。
思うにこの話の真髄はOPとBADエンドにある。

先に結末を言いますと、ハートの国というのは時計の国、つまり登場人物たちは時間という概念が実体化したようなものと考えればよいと思います。

アリスがハートの国で珍しく貴重なものとして受け入れられますが、それは彼らが心臓を持たず、時計を変わりに動く存在であるから。

この世界の「役持ち」と呼ばれる人々は周りの「顔なし」と言われる人々よりも格段に力があり、重要な存在ですが、誰もがみな「自分は代わりのきく存在」と言い切る。
そもそも役持ちというのは、1時・2時のような大きく知覚できる時間を司る存在であり、周りの何秒・何分という存在よりは重要であるが、だからと言って「じゃあその何秒と何が違うの」と言えば実は差のない存在。
彼らが決して欠けることがなく補充されていくのは、時間が欠けるということがそもそもありえないからで、また別の者がその役割に当てはまるだけ、という流れ。
この世界で昼・夕方・夜が不規則に訪れたり、役持ちのユリウスが時間を自由に変更できたりといった特殊能力はここに起因するもの。
また彼らが定期的に出会い、銃を(!?)撃ち合うというのも時間を進めるために長針と短針が時間を指すということに由来する。


ひとつの話として見たとき、この時間の概念というあたりを実に見事に突いてきたなと思いました。


まずOPで姉と語らうアリスですが、彼女はこの時点でかなりぼんやりしています。
結局その後『白ウサギ・ペーター』にハートの国へ連れて行かれるわけですが、彼女の性格がちょっと乙女ゲーと呼ばれるジャンルから外れていることに気付きます。
仕様なのかな、とも思われますが、彼女自身非常に現実的でかなり自立した女性ですね。
「女の子」と呼ばれるのがためらわれるような感じ。
そしてよく絵本で目にする水色のワンピースと白いエプロンドレスを着ていますが、そもそも彼女の性格と見合わない。
また、彼女自身姉に非常に執着している。理由は姉に面倒をかけたということが基本ですが、それ以外にもコンプレックスを強く持っている。はしょりますが、アリスは自分を「特別な存在」と思ってくれる人を欲しがっているんですよね。

真相は、アリスはもう水色のワンピースを着るような年頃はとうに過ぎている女性で、ペーターが連れて行ったのは過去の夢を見ているアリス、ということ。
生前の姉に思いを馳せ、その時間を常に大事にしていたアリスを見出したのは、その時間を担当するペーター。
仲違いしたままに死亡した姉を思うがあまり、責任感や罪悪感に縛られる彼女を救おうとしてペーターが連れて行った先がハートの国、という顛末。
ハートの国の住人が必死にアリスを引きとめようとするのは、彼女が現実に戻ればつらい思いをするというのを分かっているから。
また、彼女が攻略対象であるブラッドを昔の恋人そっくりだと認識するのもまた、
「時間がたてば思い出は風化する」
という原理で起こったこと。つまりブラッドはまったく恋人とは似ていない男性。

真相エンドでアリスは現実に帰りますが、その世界でのCGにアリスの顔は映りません。
ハートの国で「替えのきく、どうでもいい存在」と言われていた「顔なし」と同じく、彼女の顔がない「替えのきく、どうでもいい存在」になったとも取れます。「特別な存在」になりたいと願っていたアリスにとって痛烈な皮肉で終わる話の最後は、確かこんな感じ>
「お姉さんは妹が素敵な女性になりますようにって祈るの。それがこの物語の終わり方。」

たとえ大事だと思える人がここにいなくても。
私が生きていくのは、銃がなくても戦う世界。


******

最初に真相エンドにたどり着いたときは絶句しました。
ゲーム性というものは私には皆目わかりませんし、世の女性が求めているものは「甘い恋愛なんだよ!」と言われればそれまでですが、元々別ジャンルのゲーマーである私としてはその辺りはわかりません。

ただ話として、よくここまで哲学論な構成にしたなと感心しました。

「特別」だと思われたい欲求。
一つの時間(過去)に縛られる後悔。
生きていく世界の現実。

アリスがハートの国で後悔なくラストを迎えるのは、全キャラの中でも限られています。
おそらく彼女にとって真の正解は辛くとも現実に帰ること、と位置付けられているのでは?

この世界が彼女にとって夢だったのか、それとも現実だったのかははっきりしていません。正解はともかくとして、彼女にとって本当に幸せなのはどのエンドを迎えることなのか・・・。幸せな恋愛は、果たしてそれがすべてなのか・・・。

人を選び、プレイする年齢をも選ぶ作品でしょうが、実によく出来ていたように思います。

本シリーズの話は全て1作目に帰結するのではないでしょうかねぇ?


<過去記事より転載>

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2011.01.09(Sun) | アリスシリーズ |

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