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『ペルソナ5』全体感想
『ペルソナ5』全体感想

以下ネタバレ過多。



ナンバリング新作としては8年ぶりとなる、『ペルソナ5(P5)』。…『4』の系譜の数の多さから失念していたけれど、8年経ってたのか…。
そしてこれをまとめる頃には…。

テーマとしては世直し、復讐譚。
社会に不満を持つ若者らが手に入れた、人の心を変える方法を使って怪盗となり、社会の不正等を裁いていくという話。
構成としてはその怪盗としての軌跡を振り返っていくといった形。

【操作等】
プレイ時間100時間少々。流石『ペルソナ』といったところか、戦闘についての操作性などは頭一つ抜けている印象。今回はダンジョンでのギミックなども多く、探索についての楽しみも増えた。
基本画面などの掴みも素晴らしい。画面の暗転を映像として見せる使い方ができるとは初めて知った。
本作の舞台は東京だが、非常に重要度の高いツールとして電車(地下鉄等)が出てくる。
この電車の路線や地下街の構造が妙にリアルで、実際の路線の複雑さを再現している。私が東京に行ったことは数えるほどしかないが、ゲーム内でも路線の複雑さに行きたいところに行けず、上に書いてある路線案内を見て進路を考えている自分に笑ってしまった。

【ストーリー】
以下、心持ち色を変えております。

ストーリーの方は先に書いた通り「世直し」引いては「復讐譚」。 テーマは『ピカレスク(悪役主人公、ダークヒーローのような)』。
今回のメンバーやその協力者たちは何がしか世の中の理不尽に悩んだことがあり、その社会を変えようというのが、その復讐の趣旨。
ちょうどその直前にやっていたゲームが『テイルズ オブ ベルセリア(TOB)』であり、こちらも主旨は違うがテーマが「復讐」となっていた。 その思想の善性などから言えばまったく内容は異なる(『P5』は世の中への義憤、『TOB』はほぼ私怨)が、どうしても並べて考えてしまった。 また、今回の(今回も?)ストーリーに集団心理が多々盛り込まれており、そこについても思うことはあった。
今回のダンジョンは「人の心の中」。その人の心が歪んだりすると、「パレス」という物が現れ、「現実の世界がこう見えている」という心象風景が表現されているという設定。 なので、このパレスの中に隠された宝を盗むと人の心がころっと変わってしまう。

ネタバレ等をなるべく伏せていくが、このゲームとにかく社会風刺が強い。
かなり現実に即した問題や、リアルな世の中の問題点を描いている。それだけに実際は現実で解決できていない問題などもどんどんゲーム中に出てくる。それを「相手の心を変える」という方法で解決していく。
そんなもんで、どうしてもこちらも見方が現実に即した形になってしまった。
こればかりはまず「人の心を変える…?」と懐疑的な視点で見てしまった。というか、直前のゲーム(『TOB』)がそれを全否定していたのもかなりあると思うが。

そもそもが、このパレス。あくまでも心象風景であり、例えば「この人は心の中で○○を××として見ている!だから悪だ!」という見立てから入っていく。見立てる側は主人公サイド。なので本人側からの弁解が効かない。
その人の内面で考えていることがすべてなのかという問題は『P4』時点で既に起こっており、『P4』では本人の内なる自分が対峙した際に本人が本当のことを言い、内なる自分が嘘を言う場面があったかと思うが…。
この理屈ならば、「カレーは飲み物」と言っている人のパレスでは蛇口カレーが出てくるはずだ。

当初は本当に自分たちの身の回りで起きた事件に対する憤りから始まった怪盗業だが、どんどん自分たちの身の及ばない部分に活動範囲が広がっていく。それこそ、現実にはグレーゾーンで処理されているような部分や、ゴシップ記事の的になるような内容にまで広がる。
これには正直プレイしながらいつか絶対何か起こると思ったし、周囲や仲間たちがどんどんエスカレートしていく様は見ていて胃が痛くなった。せっせと私は主人公に、怪盗業に対する懐疑的な選択肢を選ばせているのに仲間が止まってくれない。ハブられている切ない。 もう誰も恋人にできない。

もう一つ、彼らの活動の基盤の一つがネット掲示板の書き込みだったりする。ご丁寧なことに支持率統計つきだ。
「掲示板上位の人(ネット上で、匿名の人々が「改心させるべき」と思っている人)を狙っていけばよくね?」
という理論に至る主人公たちに恐怖を覚えた。そのうちそれって本当に心まで変えさせるほどのこと?というものも現れる。
中には疑問を呈するメンバーもいるが、それも集団の空気にはかなわず、事態は次第に世間の解答への評価、そして怪盗団自体のあり方もどんどん流されるように進んでいく。
この「集団の声に流される」というのは仲間の反応だけでなく、統計でも街の声でも執拗に描写されており、見ている側としては心底怖かった。

……正直、この辺りに来ると背筋を這うような恐怖でまともに怪盗団の仲間とコミュニケーションを取ることが難しくなっていた。
結果として外の協力者とばかり関係が進んだ。議員候補のおじさんともっともはやく友好度マックスになった時は泡を吹いてテレビを見ていた。
最終的にはこれが世間の手のひら返しや、流されていた自分たちに気付くという流れになるのだが、いや、それまでの展開に納得できるかはプレイヤー次第だ。

それにしても、流石に苦言を呈したい部分もある。
彼らの行動は、こちらから見ると問題点もかなりある。
そもそもの話、怪盗団に裁かれる者たちは、心を変えられた結果、自ら知らぬ間に罪の意識を持つようになり、それを謝罪してしまう。……それは本当に“謝罪”や“後悔”なんだろうか。
途中まではそれに対して「私刑である」と断罪してくれる人物もいたりするが、問題提起していた人物もそのうち鞍替えをするし、本人たちもかばいあうため、彼らを断罪する人間がいない。
最終的には自分たちの行動を問題視する者もいなくなって、だんだんと「自分たちの正義」の指針がずれていく。
ある仲間の言う「怪盗団が『悪』で、犯人側が『正義』。本当は逆なのに」 という言葉に彼らの行動原理が集約されている気がする。
最終戦あたりも「世のため人のため」というよりは、「自分たち狙った奴許さない」くらいの理由になっていたと思う。……はて、これはピカレスク?





世間的にストーリーが絶賛であることは理解している。けれども、私個人の感想としては正直「怖い」という感想を持った。それ自体が、作中の一連の展開を思い返すようでもあったのだけれども。

何故直前のゲームと同じ「復讐譚」でこれ程捉え方が異なってしまうのかと考えたが、やはり先に書いた通り、これがとても現実的なつくりになっていたためだと思う。『P5』はどうしてもその取り扱う内容と世界観、ビジュアルのために現実世界に照らし合わせて考えてしまう。むしろそこまで考えさせた『P5』が天晴れだ。

私の仲の良い人物は議員候補のおじさん、彼女はひふみんでした。外部の人ばかり…。  


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2017.05.10(Wed) | 一般向けゲーム |

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