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『テイルズ オブ ベルセリア』全体感想
『テイルズ オブ ベルセリア』感想。

以下、ネタバレ過多。



テイルズシリーズの新作です。
雑なあらすじとして、「弟を殺した義兄。おまけに3年間牢獄へ幽閉されたし、怪物にもなったし、人間やめた。諸々復讐を誓った主人公ベルベットと、その道中に集まる悪党たちによる復讐劇」です。そして、前作『テイルズ オブ ゼスティリア』の1000年前の話でもあります。

……。正直に言えば、前作への私の評価は「お察しください。」であるため、本作については当初少し購入を考えた(とはいえ1週間程度)。
今まであらゆる派生作の出来にも、唸りながら納得してきた。しかしながら、前作は……。
購入の際は、ある意味ここで看取るくらいの心境で購入。そしてプレイ。

1時間経過。

10時間経過。

80時間……。

正直に言わせていただこう。面白いってどういうことだ!?!?

【システム等】
システム周辺については、従来並への回帰。比較するならば、『TOX2』に寄った感はある。戦闘については、『TOG』寄りか。
劇的に仕事をしてくれるようになったAIのおかげで、戦闘のストレス等は大幅に軽減。というか、本作のAIはかなり賢いです。

装備の合体等々のシステムは、前作とは違うものの、極端なステータス補正になるのは相変わらず。
バトル画面については、シームレス戦闘をやめたおかげか、きちんとマップ上の風景を反映させたバトルマップというものを作れていた。これには非常に感心した。実現できたんだね、よかったね……。
これに伴い、前作散々苦しんだカメラが解決。狭い場所ではカメラが働かないこともあったが、許容範囲です。

少し残念な点があるとすれば、恒例の戦闘後の台詞が一辺倒であり、ストーリー進行により変化がなかったことだろうか。

あと、これだけは言わせてほしい。
歩き方、走り方が自然になってる!素晴らしい!これがどれだけ重要なことか、本当に身に染みてわかった。

【シナリオ】
本当に今作の評価点はここだと思う。
既に2016年が終了した現在なので言えることだが、同年は兎角大作やネームバリューの大きなソフトの発売が多かった。その年の中で(自分がプレイした中でではあるが)、最も過不足なくシナリオを完成させたと思う。

今作はあらすじのとおり「復讐譚」「自分らしく生きる」が主題であるが、それを貫き通した潔さがお見事。
話は終始、「自分のため」に行動する悪党として話が進む。本来の立ち位置は、通常ラスボスにいる人たちだった。
その視点としての外連味の強さと、不足なく伏線織り交ぜつつ進むシナリオには相当に満足した。

仲間はとにかく人外が多くて、4人パーティ組んだ時点で人間ゼロ。そして悪人。しょっぱな集まったのが、脱獄囚と脱獄囚と脱獄囚になった。それぞれが親睦替わりに「お前何で捕まったん?」みたいな話を始めたときには笑った。
最終的に海賊集団兼ラスボス集団になりました。ちなみに麦わら海賊団みたいな善良っぽいのではなく、普通にならず者側の海賊である。
今作は名前や存在感のある協力者が多いのもポイント。続々と集まる悪党、人外、怪物……。まっとうな人間がいなさすぎて笑った。

そして、今作を評価する点にどうしても絡んでくるのが前作の存在と『穢れ』という設定。
前作については引き続きお察しくださいなのだが、現在アニメ化もされ、「余程」思う所があったのか意見があったのか、大幅にシナリオ変更したものが放映されている。このシナリオは素晴らしいと思う。これが本来ではないかと思う程に…。しかしまあ、ここはあくまでもゲーム版との対比とさせていただく。

さて、『穢れ』というシステムについては、前作(ゲーム版)に対する私の不審点のひとつでもあったわけだけれど、簡単に言えば「心が揺らいだときに発せられる瘴気」。これが発生すると人が憑魔(怪物)化する。
悪いことをすれば発生するのかと言えばそうでもなく、悲しんでも妬んでも発生する。なので、親族が死んでも悲しんではいけない。逆に心さえ動かなければ、人を殺しても発生しない。
前作は「穢れを生む存在は全て悪。穢れを出さないのが正義。なので心を動かさないようにしよう」みたいな理屈が語られる。
この“世界を穢れから救う「導師」と、穢れを振りまく存在『災禍の顕主』”との戦いが、前作での構図。

今作はこれの立ち位置を綺麗に反対にし、真っ向から喧嘩を売りに行ったストーリーで目を疑った。
「穢れを生まないために心を動かさずに生きるなんて、そんなもん人間じゃねえ!最後は怪物になろうが自由に生きるんじゃ!」
みたいな理論で主人公たちは敵を殴りに行く。 要は前作から、敵味方の思想が逆転している。ただし、引き続き主人公たちが悪である。
人らしく悲しむし、恨むし、愛して、穢れを生む。そのすべてが本当に悪なのか(この世界的には悪です。)。

本当にこれには喝采を送った。私が振り上げたかった拳を公式が振るった!公式が敵を取ってくれたようだ!何故だ!?
元々ここまでを想定した前作のシナリオ展開だったのだろうか……。…前作は問題提起であり、元々続編ありきだったと言われれば、少しは納得できる気もする。
「殺人等の罪をおかしても穢れない、すべてを受け入れ、心を動かさないのが至上。だけどそんなの間違ってるよね」
そんなことをプレイヤー側に思わせるつくりなのだとしたら・・・。前作は今作のディストピア化を理想とする世界を作ろうとした、管理者からの視点の話であった(両側から描いた)と言われれば、少しは前作のシナリオの違和感も受け入れられる。ただし、戦闘・カメラ・マップ等の問題は別だ。

その展開を支える伏線や台詞回し、キャラクターそれぞれの性格なども、お見事でした。
このシリーズではなかなか出くわさない、裏を読ませるような台詞回しには感服。


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【登場人物】
利害一致のメンバーながら、特に男性陣の仲が良いパーティでした。特に元からの知人や家族関係でもないのに、珍しい。
最近はとにかく味方の年齢層をばらけさせる傾向があったので、(外見的には)同年代の集団というのも久々。
メンバーも協力者も基本皆頭が良い。これが本当にすかっとしました。

ベルベット・クラウ
主人公である女性。元は普通の村娘だったのですが、弟のかたき討ちのために猛進する。
3年間牢獄に入れられて、言葉を交わすこともできる業魔(怪物)を喰い殺し続け、人でなくなり、喰魔(怪物)になり、ついでに羞恥心もどっか消えたんじゃないかって服装をしている(本人いわく消えてない)。

3年後の彼女は牢獄生活のなかでどこでその知識を身につけたのかってほど切れ者。シリーズでこれほど頭巡らせて着実に敵を誅殺する奴は見たことねえ…。本来であればラスボスだったであろう主人公。挫折しようがなんだろうが、信念貫いて目的を完遂した彼女は美しかった。

ライフィセット
人質として加入する聖隷(天使みたいなもん)の子。当初は無感情無表情だった彼の情緒がじわじわ成長していく様は見ていて暖かくなる。彼が子供として悪党共に可愛がられているのは微笑ましい。
彼らに様々なことを習い、覚えていく。悪い面も受け取ってしまった感はあるがそこはご愛嬌。
最終的には大人たちにも認められる少年に成長。だからこそ彼の未来に待っているものが辛くもあるのだが…。

彼の正体については、「あー顔も似ているし、〇〇なんでしょう?」と思っていたらまさかの裏をかかれて驚いた。そっちか!

ロクロウ・ランゲツ
業魔の青年。つまり元人間、現怪物。
この作品の「頼れる仲間は皆人外」を代表するような人物。面倒見もいいし、いい奴ではあるのだけれど、感情が一部欠如していて情緒や善悪感情がどうかしているいわゆるサイコパス。……本当の意味でのそれっぽいキャラは久々に見た。

感情も業も併せ持ってこそ生きる意味があるという、本作の主張をよくあらわしているキャラだった。

マギルゥ
自称魔法使い、他称魔女。多分ぎりぎりで人に属すると思う。多分。
高みの見物を決め込んだような人をおちょくった性格。決して緩衝材にもならない道化役。いやあ、徹底してた。

都合彼女は二回程度啖呵を切るシーンがあるのだけれど、本当にいいことをいうし、こちらが言いたいことを言ってくれる。この作品の主張を一気に言い切った終盤の啖呵は、私が言ってやりたかったことだった。

エレノア・ヒューム
唯一まっとうに本当に人間。マギルゥも人間なんだが、どうも彼女はそれらしく扱われてないからな…。
人質兼スパイとしてやってきたが、本当に珍しく善人のため、まあ浮いてた。だんだん緩和されるけれど、当初はこの子大丈夫かと思った。

サブイベントにはなりますが、彼女も人のエゴをもちその二面性の中で苦しむその様は言い回しも含めて胸に来るものがあった。

アイゼン
自称死神の海賊団副長。……彼、あれです。前作でサブイベントで秘奥義を手に入れるために殺されたドラゴン……。
そのあんまりな顛末から、当時から色々言われていた上にもう行く末がわかっているキャラですが、本作での彼は本当に頼れるいい男でした。この作品でよく皆がいう「自分の舵は自分でとる」の発言者。何気に名言メーカー。
彼については本当に前作での展開に納得がいかないので、せめてアニメでもなんでも救済してほしい。結末じゃなく過程に納得が行ってないの。




劇的な何かではなく、シナリオ一本でとにかく楽しめた。本当に、その、ありがとう!
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2017.04.02(Sun) | テイルズ関連 |

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