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『マーメイド・ゴシック』全体感想
新年あけましておめでとうございます。
本年も、時間はかなり開くこともあるかと思いますが、細々やって参りますのでよろしくお願いいたします。


下記感想。


『人魚姫』を大幅にアレンジした作品。同社の中ではまだアレンジの少ない方だとは思います。
「人間に血を与えたために幽閉されていた姫様が、贖罪のため、海を黒く染めた人間の王子を暗殺しに行く」話。その中で、王子やら海賊やら元からの知り合いやらと色々あるという。

全体的に話の流れは緩やかです。ほのぼのとまでは言わないが、共通ルート感のなるスローペースな話運び。主人公の目的が物騒ですが、あまり気にしなくても大丈夫です。

というか、この話、皆さん悩んだり恨んだり病んだり殺そうとしたりしてますが、それらの問題はすべて、かなりあっさり唐突に解決する。とくに謎解答。「ええ!?これでいいの!?」と戸惑うレベルにはあっさり解決する。
最近多いカウンセリング系乙女ゲーに一石を投じるレベルで、 主人公が特に何かすごく手を尽くしたというわけでもなく、大抵あっさり解決する。むしろ全体的に王子が何とかしてくれる。別に気負わなくても大丈夫。
色々謎がありそれを解決する話ですが、大体驚異の解決力でたたみます。

CGは少なくなりました(一般商用程度の量)ですが、一枚ずつが絵として美しい。水中の絵などが特に良かった。
あと同社内ではかなり恋愛の展開が遅い方です。 ないわけではないですが、恋愛実技部門も抑え目です。あくまで抑え目なだけですが。

***

【リディア・グリーン】
人間に血を与えたために地位剥奪されて幽閉された人魚姫。あまり頭は良くない人魚姫。
彼女は正しく人外で、人間の常識にあまり強くないという点をいかんなく発揮しているため結構ずれており、善悪の考え方や教養が面白い。加えて幼い頃から監禁生活のため、人魚の知識にも疎い。いい子ではあるのだが。というかこちらの視点ではアホの子に見える。本当の意味で。

彼女は足を得るために制約を受けているが、その内容が

・好意を伝える言葉「好き」「愛してる」は禁止
・筆談も禁止
・上記条件を本人に伝えることも禁止
・上記に加え、王子相手にはキスも禁止(即死)

なので、彼女は相手への好意を伝えるために苦しむ。
…だけど、この制約、条件が結構ガバガバなので、

・「あなたが一番大事」「一生傍に居たい」などの婉曲な表現なら可
・「実は私あの人が一番大事で、傍に居たくて(ry」「ふーん」→「あの子、要約するとあなたのこと好きらしいです」 という伝聞はOK
・「俺のこと好き?」→キス→「好きなんだね!」はOK
・というか王子以外なら最終的にキスで押し切れる

なため、最終的には『“好き・愛してる”以外の言葉でいかに好意を伝えるか大喜利』と化していた。もっと制約もうけようよ。王子以外でもキスで即死しようよ。
主人公が賢ければすぐにクリアしそうなこの条件。リディアさんは人外であり一般教養に疎かった、「好き」を封じられただけで非常に苦労した。よかったアホの子で。話終わるところだった。
あまり人魚っぽいCGがなかったことだけ悔やまれる。

【弥彦】
最近では珍しい(当社比)、身内に甘く豪快ではあるけど、あっさりばっさり切り捨てる系の海賊。
豪快でいい奴なので、「なんかこう、明るく恋愛?みたいな?」と思ってたら、結構監禁された。まあ海賊だからね。ただ、「好き」と口にしないだけで切り捨てらてたのには抗議したい。

彼は王子に私怨があるのですが、それが解決する過程が驚くほどギャグ。勘違いってなんだよ。王子とばっちりだし、完全に巻き込み事故だった。刺されても無抵抗で握手までしてくれた彼に涙が止まらなかった。

全体的に恋愛関係の実技が少なく描写も薄い作風の中、こいつだけルート中5,6回は致している。

【牡丹】
同じく海賊。言葉より精神的なつながりを重視する人なので、別に口に出さなくてよかった。設定倒れだ。
彼は基本真面目ないい人なんですが、何故か結構唐突に恐ろしく病む。他人ルートでも病む。しかし彼は元々その素養があることは分かっているのですが、ベストED付近ではその様子もない。表面に現れなかった彼の持病は一体どこに行ったのか…、地雷のようで恐ろしい。

彼最大の特徴は、同社最長の気の長さ。
想いが通じるまで何十年単位で待機してた奴はいるが、「想いが通じたら即行動・即本番。同意は最中に取る」が当たり前の同社作品の中、告白後の外泊は本当に宿泊しただけ、キスまで1年少々、そこからまったく手を出さず、本番まで2年経過。恐ろしく気の長い男だった。

【ガリレオ・メランコリー】
女性が苦手な宮廷医師。国に蔓延している「海が青く見えると死ぬ」病気を治す研究をしている、ガチムチ医師。 奥手担当らしいが、もう一人の奥手のレベルが違った。
何でこいつ筋肉?と思ったら、「自分に自信をつけるために体鍛えた」と言っていたため、「ああ、見せるための筋肉で実践には不向きなのか」と思っていたら、終盤リディアと少年を抱えて暴徒を蹴散らして走り出した。どういうことだ…。

彼のDEADEDの恐ろしさは何と言うか、こう、作者も原画担当もうまいな!と思わせてくれたのだけども、本気で怖かった。ガウェインとガリレオが二人で話している背景に映る、既に死んだ人魚リディアの…。「この虫の羽音が聞こえませんか」「この臭いがわかりませんか」にはぞわっとした。

【バジル・エイデルワース】
人間の国の王子で、海を黒く染めたと言われていて、リディアが暗殺しないといけない人で、リディアの血のために不死な王子。…設定長い。
全員ある程度BADだのDEADだのでは病むのだけど、彼は一人正常。どのEDでも病まない鉄の精神。代わりにリディアが病んだ。
そしてどのルートでも重要人物のため現れては刺され、現れては刺され。そしてそれらをすべて気にしないという恐るべき懐の深さ。死なないとはいえ、その精神力は驚嘆に値する。

とあるルートで「彼を殺そうと思ってた頃の自分を叱責したい」と珍しくリディアが悔いていたので、全力で肯定した。彼に任せていれば全部大丈夫感が凄い、素晴らしい人格者だった。
こんないい人で、メイン攻略対象なのになぜかベストED最後のCGがまあまあ怖い。主に骸骨のせいで。

【ガウェイン・ライツ】
王子の従者ですが、彼は果たして執事だったのか、従者だったのか、護衛だったのか、使用人だったのか…。側近なことは分かったが、彼の正式な役職が終始謎だった。トータルコーディネーター並に働いていたので。

彼は他のルートでは最後まで元気そうなのに、自ルートのみ序盤から余命わずか。どういうことだ…。
「自分のルート以外では恋心を見せない元から好きだった枠」という存在はいるが、「自分のルート以外では死にそうな様子を見せない元から死にかけ枠」の存在は初めて見た。他ルートではやせ我慢してたのか、それとも他ルートではリディアが振り回さないから元気なのか…。

彼は人魚の血を飲まずに運命をまっとうする、という人間の感覚と、「不死の方がいいに決まってるからさっさと飲んで!」とせまり続ける人外のリディアの対比が面白かった。いっそ彼の言い分を理解しないリディアが、実に人魚らしい。
このルート、血をのむのまないでずっともめてるんだけど、飲むときはあっさり。流石の作風だった。

彼のルートで「婚前交渉はよくない」と言いだし、「よし!頑張れ!よくないよ!」と思ってたらやっぱり駄目だった。あと少しだったのに…。
リディアの「彼と愛し合うためにこの体を手に入れた」が、結構な作品の総括で心に染みた。一人だけ結婚後も書かれているしまとめのよう…、あれ?王子は?

【エリアス・ミスト】
駄目元から好きだった枠。
わかってない、わかってないな!不憫枠の基本要素は、「自ルート以外では報われるための行動をしない」「他人の妨害はしない・悪評を流さない」「拗らせて病まない」「すっと身を引く」だ。
よって、自ルート以外ではモブに徹するか、必要以上にかかわらないのが必須だ。この要素を完璧にこなしつつ、ストーリー的な都合で出ずっぱりだった荘助(『里見八犬伝』)の不憫さを見て見ろ!満点だ!
エリアスはそれ程話に必須でないのにかかわるからこういうことになる。

彼はリディアの使命を手伝うため、彼女を追って人間界にやってくる。彼は足を貰うため、「愛の言葉禁止」「リディアと定刻までに結ばれないと即死」の条件をもらうために他ルートではその後消えていたらしい。…ま、そんな気はしてた。

しかし、他ルートではあまり顔を出さず、こと海賊ルートに至っては

「やあ久しぶり。僕も君に協力するために王子の情報圧集めてたけど、全然会わないね!」
「うん、私海賊船の上にいるから!」

で、死ぬに任せるにも程があるだろと思った。
しかし彼の性格を思えば、後の憂いを断つためにもここで消えてもらった方が…と考えてしまうレベルで爆弾。
一人一回、何がしか病むことが多い本作の中でも、終始病気だった。正常な時など一度もなかった。本気でリディア以外には興味がなく、恩人だろうがなんだろうが手にかけていくその精神。しかも対した理由がないし、彼にそれが実行できるだけの素養が謎だ。「私にだけ優しい」人など、恐怖でしかないのだよ…。

好意的に見れば、彼は原作『人魚姫』の位置にいたのだなぁ。
各ルートで泡となって気付かれることなく消えていく彼は、果たして彼女を本当に追ってくるべきだったのか…。いや、自ルートでしか報われないって条件は満たしてるんだけど…。

【ロキ・ジルフォード】
こちらも駄目元から好きだった枠。 ライバルの妨害にかけては特に頑張っていた。しかし、ストーリー上関わらないといけない場面が多かったという点では及第点。
元から好きだったリディアが別の男の所に行くのを防ぐため、殺しすら辞さないレベルの妨害をかけてきます。一方、10年監禁されていた彼女と10年ぶりに会い、一体何が彼をそこまでさせたのか。どうして彼女にそこまでの執着を持ったのかは謎。

彼のルートでは「どうして彼に行かなかったか分からない程活躍する王子」の存在により、ロキの存在が謎を一気に語る解説員と化す。
彼のルートはいままでバラバラ出ていた謎の解答編。なんとなく分かったり、解決してたりしてた辺りをまとめた話だった。そのため、ほぼ解答編の付属ルートみたいなもんだったが、それにしては頑張っていたと思う。
ちょっと明かされる人魚の血の付加価値が薬から劇薬まで多種多様にわたりすぎて、万能の妙薬過ぎたが。本ルートでも解決しきってない部分が多々あるので、「これはまぁ続編あるな」と確信した。

それにしても、彼のBESTEDは「「自分が死ななきゃ海は元に戻らない」とか言ってたけど、どうせなんとかなるんだろ?」と思ってたらストレートに死んで終わって戸惑った。
一方、全てがご都合主義で全面的にあっさり解決してしまうハッピーEDもよかった。全て驚きの畳み方で解決する、実にドリフだった。

しかし…彼の話で出てきた「双方合意の上で血を飲むと人魚側の意識が人間に宿る」ってことは、ガウェインは将来的にリディアの死後彼女と同化でもするんだろうか???バジルにもそれが多少なりとあるということで、はっきり自覚の上でだったガウェインは相当なんじゃないだろうか。
と、ここまで考えて、誰よりもEDあたりでリディアがべったりになっていたり、幸せ享受していたり「この体は」云々言っていたのはもしかしてその意識同化も関係していたのかなと思った。そこまで考えていたなら、脚本がかなり優秀。



問題解決とかはドリフ並のどたばたですが、全体的におもしろかったと思います。ドリフ含めて楽しめばよい。
解決してない部分は、次回でしょうか…?

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2015.01.01(Thu) | QUINROSE |

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