プロフィール

三尾

Author:三尾
転勤により、更新休止中

最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
検索フォーム
リンク
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

--.--.--(--) | スポンサー広告 |

『デザート・キングダム』全体感想
のんびりしててすみませんなぁ。

デザート・キングダム ポータブル(通常版)デザート・キングダム ポータブル(通常版)
(2013/02/21)
Sony PSP

商品詳細を見る


クリアはしてんのだ。遅筆なのだ。

下記ネタバレ過多感想。


プレイ時間:約20時間弱

***

思った以上にざっくりしてるー!

以前から噂は伺っていたものの、可愛らしい絵柄からして「ああ、きっとほんわかのんびり系恋愛ストーリーなんだな」と思っていたのですが、とんだ伏兵だよ!

ストーリーは、

魔人の国の王女である主人公アスパシアは、魔人と人間のハーフであるため魔力が尽きてしまう。
魔力を貯め真の魔人となるため、人間界の砂漠の王国(キングダム)でアスパシアは人間の願いをかなえる人助けを始める。その中で、特に強い願いを持っている人物と接触し、アスパシアは魔力をためるうちに彼らとかかわっていくことになる。


とこういう感じ。なんかほのぼのっぽいよね。そんなことなかったよ!

初見二度見するほどに全体がギャグ。そして思った以上にざっくりした文体。なにより主人公がとにかくざっくりしている。恐れ入ったわ。
本当に全体的に勢いが良い印象で、話がするする進む。プレイ時間的にも上記の通り短いのだが、文章の軽妙な進みもあってさらっと終わる印象。これを良いと取るかは色々なのだが、作風もあいまってこれで正解なのだと思います。このテンションでの長時間はあまり向かないなぁ。

ある意味人を選ぶかと思われるほどにギャグとメタ発言の応酬。作者による突込みがずっと入っているという感じだろうか。序盤はそれが特に多いので、人によっては印象も好き好きかなとも感じた。各ルート終盤になってくるとそれらも薄まるのだが。
今回は移植ということで、おそらく発売当初から追加された台詞であろうなという発売後のご時世を反映したメタ発言に笑ってしまった。

一方で全体の話にまとまりがあり、全員の日常会話等の話が別の人の行動を促したりと関係性があるのにも唸らされた。
そのざっくりの裏で全体として、『国』と『宗教』でまとめてきたのも印象深い。まさかこのタイプのゲームで宗教観について考えることになろうとは・・・。
本当、意外なくらい表裏で統一感のある良いシナリオ運びでした。少々明かし切らなかった部分や、謎として残った部分もありますが、それはそれで。
基本善人ばかりで構成されたゲームのため、安心感もあります。

絵柄は後に『AMNESIA』を担当された方、なのですが、比べると幼い印象を受けるようなかわいらしい感じ。この絵柄に良い意味で騙されたよ。
また音楽についても勢いがあって良い。しかしルートによって途中で挿入されるとんでもないアカペラにすべて持っていかれてもうOPとEDがすべて持っていかれた。あれ入れようと思ったの誰だ、素晴らしい。
素晴らしくふざけている。


以下個別感想

***

【アスパシア】
「薄汚い欲望の塊上等!」

この作品が序盤非常にざっくりした印象を与える主的要因。根性座ってるわ、路上生活するわ、ウィンドウ枠から大幅にはみ出すわやってくれる。
家が無いなら路上生活。虎にかまれてもこだわらない。怪我も一瞬で治るぜ。例え薄汚かろうが、自分のために人間利用しよう!いやぁ、ここまで突き抜けていただくと本当にありがたい。
彼女元々魔人の国のお姫様なので、ハーフと言えど人間界の常識がない。そのためにある意味素直。すれてるわけでもなく、はねっかえりなわけでもなく、馬鹿なわけでもなく「なんで?」と繰り返す子です。性格はとてもざっくりしてなさるが。勝手に寝てたりするしな!

ウンバラとの掛け合いで話が進むので、二人でメタ発言まみれのコントをなさる。ツンデレという言葉に対して「それは数年後下火になったときに扱いに困るからやめろ」みたいなこと言ったのには非常に笑った。
ルート終盤の彼女は人間のことを分かってきたらしく、けなげ感がUP。ただ分からないだけで人間を格下と扱っていたわけで、人とかかわることで素直に変化しますよ。別に性格激変したわけじゃなく、元々一貫してある種の天然だったよ、彼女は。

今現在はなんかロリぃしペタいが、成長した彼女はなかなかにいい女。超重要ポジとして彼女の母が物語序盤から出ているが、それについてはいまいち語られなかった。結局あれはなんだったんだろうな・・・。

【セラ】
「気軽に『ヘイ、セラ!』って呼んでよ」

雑貨屋の店主。上記の台詞を出合い頭にアスパシアに言ったため、彼女は当分誰にも「ヘイ、○○!」と話しかけていてこっちがハラハラした。宰相に言うな、宰相に。

いかにもアラビアンな格好をしている彼だが、このキラキラした装飾過多の服に「屈んだら装飾が刺さって出血する」という設定を喋らせたのは凄い。このゲームメタばっかり。
あとこの人アスパシアに舞踏会(?)ドレスとしてメイド服着せてくる。
アスパシアには何故か最初から粉をかけてくるんだが、いったい何故だったんだろう・・・。しかし告白はぐだぐだで笑った。

ストーリー中ではある意味導入部分担当で、チュートリアル担当。正体は国から消えた王族ってことで、王族の復権がストーリーの中核となる。彼の語る王道の説き方が意外なほどよくできていた。
そして彼のルートで既にシャロンが善人であることが判明。結局「王家復権」が攻略対象たちの多くに共通した願いであり、なんとも敵のいない話だなぁと気付くのはゲーム終盤になってから。彼の協力者は非常に多いぞ。

【シャロン】
聖人君子。

王族の消えたキングダムで宰相を務め、実質的な支配者をしていらっしゃいますが、彼は理想の統治者。
自分の一族に王族暗殺疑惑がかけられても国のために汚名を着るし、身を粉にして働く。どこかで生きてるはずの王族の帰還を待つため、悪者にだってなるさ。
か・・・・かっけー!!!

本当に隙のない善人で仕事人間。国の事と国民の事しか考えてないような人で、自分をとにかく除外。騎士団がいるけど、彼らも国民だから、自分を守るために戦ってはいけない。こいつ・・・聖人君子!
そのため独身なのですが、
「妻とろくに会話できない男は家庭を持つべきでない」「妻になる女性の幸せを考えたら結婚は出来ない」
など名言が続々。お前本当にいい奴だな!路上生活してたアスパシアを拾ってくれたのも彼。本当に頭上がらない。完全無欠のいい人です。すっごい胃に穴開いてそう!
彼も彼で王家復活のために頑張ってたんですが、その期間実に10年。・・・絵柄の問題もあり、とても幼く見えるんですが、10年前から働ける年だったという事は、最低でも25歳とか・・・?見えないなー。

そんな彼の頑張りを認めてくれた国民もいい奴揃い。この国、基本は善人のみで構成されております。
非常に有能な彼が退いた後、セラがちゃんと国を治められるのか・・・。甚だ不安である。

後彼のルートで「キングダムの婚姻適齢期は15歳」というのがあるんですが、結婚する人が多いのが15歳と言う意味なのか、可能年齢と言う意味なのか・・・。

【ヴィ】
おい、攻略対象にルー語連れてきたの誰だ。

教団所属の(暗殺しない)暗殺者。初見・・・どころではなく、ずっとルー語。どうすればいいんだ。スタッフは私をどうしたいんだともんどり打った。
その後実は精神を乗っ取られてて、中には元の彼と殺戮衝動の彼が居て・・・みたいな話から、素の彼が出てきて話し方が普通になった。最後までルー語だったら告白的な部分どうするんだと思ってたから安心した。非常に安心した!
が、はやり彼も『信仰』というテーマでよくできていらっしゃる。学問を習得していないがため、信仰の対象が間違っていても気付かないとか、結構深い内容だった。あっさり語られたけど。
GOODEDで「神の側にいたい」という彼の願い叶って精霊におなりになった。この時のアスパシアの横向いた目がちょっと不思議なことになってるんだが・・・。まあいいか。

一応宗教団体の抱えている暗殺者なのだが、「向いてるからなったの?」という趣旨を尋ねるアスパシアに「人殺しに向いてるやつなんているのか?」と返したのが印象深い。本当、時々深いな・・・。

しかしこのルート、・・・あれ?シャロンが下衆い。清廉潔白なこの人が・・・???
まあ、後日談で見る限り彼も苦悩の末だったようですが、このルートでのシャロンを考えると可哀想で可哀想で。

【レジェッタ】
まさか宗教観の話になるとは・・・。

トレジャーハンターのレジェッタ。彼に対するメタ発言で「人気投票低そう」ってのは移植後追加された台詞なんだろうか。言っていいのかよ!と思った。・・・本当に最下位なんです?
セラと懇意である他国出身のレジェッタだが、その願いは王族復権。セラが返り咲くために願いをかなえてくれる『魔人の卵』というアイテムを探している。
このあたりで、「何でも願いがかなうアイテム探しを手伝う」ことと「見つかったら『願いをかなえて魔力をもらう』アスパシアの目的が達成できない」の折り合いの付け方が爽やかで好感を持った。
「絶対かなえさせてあげたいから、成功率の高い『魔神の卵』探しを手伝うけど、もしなかったときは自分が頑張ってきたこともあるから自分に願いをかなえさせてほしい」というやり取り。互いの理想を無駄にしない良い交渉だった。
・・・のだが、その『魔神の卵』探索画面でいきなりウィザードリーになったりもうやりたい放題。ネタが分かるかい!
ここでようやくシャロンにどくろがついてたりレジェッタにハムスターが乗ってることへの突込みがはいた。何故デザインした、それを!

まあ、それらは置いといて、さても彼のルート、とにかく印象深いのが『宗教』というものについての考え方。
アスパシアは魔神であり、いわゆる神。大部分の日本人にとって宗教と言うもののとらえ方は胡乱なものになるが、魔神信仰がある国での彼の考え方「神は何かしなくとも人の心に寄り添い、自分は一人じゃなく他者と大きなものでつながっていると思わせてくれる。その救いを与える神に感謝すべき」には本当に唸らされた。広く分かりやすい宗教のとらえ方ではあるものの、日本人にとってその感覚が難しいものを端的に言葉にしたのはお見事。

後日談的な部分でセラの父である王の行動理念とか、国の創成にかかわった魔神関連の話とか出てきて、彼意外とこのストーリーの根幹にかかわるあたりの担当でした。
もっと凄いのは、その根幹あたりの話をさらっとしていたサブキャラなのですが。

【イシュマール】
引き続き宗教理念。

宗教団体の雇われ教授(?)をしている無神論の神学者。一応攻略制限持ちであるが、彼もまた宗教観の話。
彼の家族が信仰のために死んだ事から、神などいないというイシュマール。一方ガチンコ神様のアスパシア。無神論者VS魔神という理念のぶつかり合い・・・にはならない。アスパシアがああだから。
しかし「神はいる=自分は魔神」を証明するために刃物を心臓部にぐっさりいったアスパシアの根性の座り方とおおざっぱな感じ、私大好きよ。

こちらの話ではイシュマールが「神の死」を願ったためかアスパシアが非常に弱る。そのときのキングダムの一般市民の質の良さに感動した。特にチュートリアルで肉まん渡した人に救われた時は感動した。やっとくもんだな!
やはりというか、アスパシアの力で死者の復活は願わなかったわけですが、口数が多いタイプである分、彼の葛藤がしっかり語られていて好感。
論理で詰めてくるタイプのイシュマール相手では流石にメタ発言もかませなかったためか、真面目にツンデレ系恋愛劇やってましたよ。ツンデレは死語になりかけらしいけどな!

口数が多くて理屈っぽいタイプであるため、彼は名言多数。他人ルートでも出てくるときは結構いいこと言うよ!
あと、やはり彼も「数十年苦労した」という話があるんだが、絵柄的に見た目が幼いわけで、一体いくつなのやら・・・。

【ウンバラバッパー】
アスパシアおつきの精霊。

「あー、変わった名前だけど、この世界の常識ではアリな名前なんだろうなぁ」と思ってたら、普通に「国でも適当に決められた変な名前です」と言い出して笑った。勢いだったのかこれ。

どんなルートでもアスパシアの側に控え、作中ほとんどのメタを担当し突っ込みもボケもこなし・・・と立役者な彼だが、ストーリーの終わりには必ず消えてしまうというキャラ。
真相としては、アスパシアが真の魔神となるまでしか寿命がないというもので、意外と大変な運命をお持ち。ついでに全てのルートでの記憶を共有していたらしく、ゲームの締めとしてついにゲーム内での行動までメタ化させてくる。お前はメタしかないのか!
彼自身のルートはおまけがてらという感じで短いのですが、どのルートでも最後まで側でアスパシアに助言を送り続けるウンバラ。メタ発言に全力のウンバラ。このゲームの象徴みたいなもんですね。



勢いと疾走感とメタ。深い所は深く、ざっくりのところはざっくり。予想以上に笑わせていただきました。

冗長となりましたが、お付き合いいただきありがとうございました。


スポンサーサイト

2013.03.14(Thu) | オトメイト |

/
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。