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『死神と少女』プレイ感想 黒の章 遠野十夜ED(、と『依存』)
職場が只今アリの襲撃に遭っています。いくら退治しても現れる彼らに、ついに上司がさじを投げた。

「これは、アリがやって来ているんじゃない。俺たちがアリの巣に迷い込んだんだ!」

この夏はアリと共存していく所存です。

いつも通り下記感想。ネタバレGOGO。


<黒の章>

ふとしたきっかけで、兄の存在が揺らぎ始める。紗夜はそれからというもの、急に調子を崩し始める。次第に悪化していく体調と、兄と二人だけの世界。

結論を言えば、兄は実在しない存在。その姿は普通の人には見えない。彼こそが死神であり、紗夜と共にこの物語の主題である『死神と少女』のいう「美しい言葉」を探すために紗夜の時を止めた人物。紗夜の想像上の人物。
子供のころから、兄は紗夜にしか見えない。優しかった継母を失った心を埋めるための存在。

日生(偽)のおいていった絵本から真実を思い出した紗夜を、絵本に倣った幻覚と発作が襲う。
時計塔で最後を待つ紗夜と兄は、ともに死と消滅を。
すべてを知った桐島が向うがすでに遅く、紗夜は死去、兄も消えた。そこには彼女の遺体と、念願の死神となった蒼がいるだけ。

***

いやぁ、綺麗な終わりでした。兄の数々の不審行動、本当の兄でないのなら納得。
しかしこれだけ「蒼が死神」というのを押し出していて、真実は兄とはしてやられた感。

そしてやっぱりいいとこ持ってった桐島先輩。そうか、桐島先輩に見えたからと言って、それは兄の存在証明にはならないんだよな。

ラスト、死後の世界と言うべきか幻想世界と言うべきか。二人が幸せに暮らしたという終わりに、彼女はこれでよかったんだろうと思う。
それにしても紗夜の死期間近でのBGMやEDの音楽は良くできていた。というか出来すぎだった。音楽が本編を邪魔せず、しかして記憶に残る。圧巻でした。




・・・。


・・・。

・・・逃げた?
ではここから、いつもの戯言。話半分で頼みます。

<イマジナリーフレンド>
直訳は『想像上の友達』。欧米で主に使用される概念であり、主に子供にみられる症状。通常は成長するにつれて消滅する。
幼児の「一人ごっこ遊び」を想像すると分かりやすいと思う。
自身が生み出した、都合のいい友達であり、自己肯定や助言、自問自答の相手ともなる。要するに幼児が一人で家で遊んでいるときに、おままごとの相手になっている見えない誰かのことだ。

紗夜にとっては、兄「遠野十夜」こそイマジナリーフレンドだったと思われる。ただ、彼があたかも実在のように認識される存在となったのは、この世界が幻想世界であること、ひいては物語の世界であることによる。
本来紗夜にだけ認識されるはずだったイマジナリーフレンドが、他者(蒼・桐島・千代)に認識されるということはどういうことか。
なんとなく、この話の根幹がわかった気がする。

<依存>
桐島と千代はこの問題について上手く折り合いをつけていたようです。彼らの関係は、ひとえに桐島が千代の依存傾向を抑えていたことによる。通常ルートにて、桐島はその後うまく自分をコントロールしているような節があります。
この場合、依存状態に陥ったのは紗夜の方。千代のいなくなった部分について、少なからず桐島で補点しようとしている節がある。

ところで、この話の中に出てくる人物の間には妙に依存傾向がある。主に紗夜。

・紗夜と夏帆
・紗夜と兄
・紗夜と日生(ルート内)

今ざっと書き出してもこんな感じ。これらについて分解すると、夏帆と兄は『共依存』の関係に近い。共依存はお互いが相手の存在により自己の価値を見出す関係。が、日生との関係は紗夜一方からの依存。桐島については、千代がいなくなったことに対する『置き換え』を行っているようにみえる。

ここから察するに、紗夜の問題点。これを夢もそっけもない言い方をするならば、『依存性人格障害』。

<依存性人格障害>
大層な言葉をつけていますが、これは性格構造の一つと認識していいかと思います。
これを簡単に言うと、

・他者からの庇護を望む依存的な人格
・自己否定的な認知
・絶えず他者からの愛情、庇護、肯定を要する
・自立可能であることを認めない
・他者との関係にしがみつく

こうした人について、学問では母子関係に強い影響を受けているというのが通説。乳児は母がすべて、詳しい内容は省きますが、この自己とは別人であるところの母を傷つけたことによる「母からの見捨てられること」を忌避する感情が強まり、それを継続するとこの症状に近づいていく。
子供時代の出来事に起因した症例。そして女性に多い。

紗夜はこの傾向が特に強いですが、夏帆もどうだろう。危険な気はするんだよな・・・。
そして、こうした傾向の強い人は、本人の主体を他者に委ねる。そのため、自己肯定・行動判断をしてくれる「自己の強い他者」を必要とする。
この自己の強い他者は、彼女の他者との付き合い方を見るとなんとなく分かる。リーダーシップを取り、行動を決めてくれる人。

・夏帆・・・行動を決定する、自己の強い他者。共依存関係に近いため、親密な関係を保持するのに良い存在。
・日生・・・自己肯定を行い、行動決定を委ねられる他者。依存傾向を容認する。
・十夜・・・自己肯定を行ってくれる他者。庇護、愛情欲求の相手。

日生の紹介分「理想の王子様」は伊達ではない。彼は、確かに紗夜にとっては都合の良い存在であり、まさに理想の王子様だったのだろう。
その証拠のように、「君がだれであっても、遠野紗夜ならば良い」という言葉を口にした日生(偽)に、とたん紗夜は傾倒していく。彼が自身の欲求を満たしてくれる相手だと認識したのだろうか。


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2011.08.16(Tue) | 死神と少女 |

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